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第66回 税理士試験 法人税法突破のために必要な法的思考力 [税理士試験と実務の接点]


税理士試験の法人税法突破のために

まず、あなたは

税務専門家としての基本的な素養を持っている人に習うことができていますか?

そうでなければ大変危険なことです。無駄に受験期間を延ばすことになります。

見分け方方は、意外と簡単です。

下記4つの質問です。

・第一問を「理論」ということに抵抗ありませんか?
→「法的思考」が必要な試験だから抵抗ありますよ。系ならOK。


・法令等を正しく解釈・適用するとはどういうことですか?
→税法も法律だからね。また、税理士は法律家だからね、国税職員も法律家意識を持たせているところだから税理士にも当然求められているよね。系ならOK。


・「法的思考」とはなんですか?
→法的三段論法というキーワードがでればOK。出なければ、法的三段論法って知っていますか?で的確に答えられればOK。


・「説明する」とは何ですか?
→この能力をきちんとつけていかないとだめだからね。系ならOK。


ひとつひとつ見ていきます。

税理士試験の第一問を「理論」という方は、税務専門家としての基本的素養を保持していません。

税理士試験で試されているものは「法的思考」という認識が強ければ、ある意味、法的思考の一部概念である「理論」という言葉を最終形に使いたくないからです。


下記のアドレスを参照してみて下さい。「理論」ではなく第一問となっています。
各種専門学校への警告なのです。

「理論○○を暗記しましょう。」
「一字一句丁寧に暗記しましょう。」

「この理論はAランクだから丁寧に暗記、この理論はCランクだからそこそこでかまわない」
等々、発言する人も税務専門家としての「法的思考」を保持していません。
暗記は、人間の能力を高める重要な訓練なのは事実です。軽視は禁物です。

但し、税務専門家としての基本的素養は暗記力ではありません。あくまで「法的思考」です。
暗記は多大な学習時間を要しますが、「思考」をダイレクトに鍛えることはできません。
「思考」が鍛えられていないと、新しい物への抵抗感が強くなり「対応能力」も育ちません。

国税庁が与えてくれている大きなヒントにも一切気づかず、また気づかない人が作った解答をベースに合否を判断するもの大変なリスキーなことなのです。

国税庁がだしてくれている第一問の意味がわかりますか。
■第60

基本的な制度に関し、具体的な事例への適用についての問いかけを行い、事実関係を整理・認識するとともに、それを踏まえて法令等を正しく解釈・適用することができるかどうかという能力を問う。


基本的な制度って何ですか?
事実関係を整理・認識するとはそういうことですか?

法令等を正しく解釈・適用するとはどういうことですか?

これに明確に答えられる方が「法的思考」を持った、言い換えれば、税務専門家としての基本的な素養を持っている方です。

続けていきます。

■第61回 第62

法人税法における基本的な制度に関し、具体的な事例への適用についての問いかけを行い、法令等を正しく解釈・適用することができるかどうかという能力を問うこととしている。

60回とほぼ同じですね。

■第63
理論的な思考能力を問うこととしている。

事案に即して、的確な当てはめを行うことを求めるものである。

理論的な思考能力って何ですか?
事案に即して、的確な当てはめを行うとは何ですか?


この言葉は、「法的思考」を持つ裁判官、弁護士から見れば実は常識的な言葉です。
法令等を正しく解釈・適用することができるか

では、税理士試験業界には伝わらないという前提で少しだけ具体化してくれたのかもしれません。

平成23年の国税通則法改正にともない公表されて通達の「調査」の意義を見ても法律規定に基づく、要件事実の認定、法令の解釈適用等々使われる言葉に「法的思考」が不可欠になっています。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/zeimuchosa/120912/

調査が「法的思考」ベースで行われることを全面的に公表してします。だから今後は、税理士側に求めるものも「法的思考」なのです。課税庁としても「法的思考」がない税理士だと税務調査の相手として時間のさらなる浪費になるのです。そのような税理士がいたら困るのです。昨今の税理士試験で求められている「法的思考」、言い換えれば税理士としての資質、素養が求められているのは、必然なのです。是が非でも「法的思考」を身に着けてください。

法的思考の基本を2つ上げます。

⑴ 法的三段論法を理解し使えるようにする

⑵ 2つの視点から検討する



法的三段論法

① 大前提(法令の解釈)

② 小前提(事実認定)

③ 結論

①②は逆になることもあります。

概念自体をわかりやすく説明しているURLを二つリンクしておきます。


■国税通則法の通達改正にも言及してくれています。

http://torikaiblog3.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-dbb5.html


 

■税理士試験的には好ましくないですが税務の法的三段論法を所得税法を使い説明してくれています。

http://inspireconsulting.co.jp/blog/%E6%B3%95%E7%9A%84%E4%B8%89%E6%AE%B5%E8%AB%96%E6%B3%95%E3%81%A7%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B/

■第64

税法の当てはめの前提となる事実認定を的確に行うことができるかどうか、さらに、その事実認定に基づいて、法人税法第22条における収益、費用、損失の計上時期について妥当な判断が行えるか、といった税務専門家としての基本的な素養を問うものである。


法的三段論法が理解できてはじめて、この文言の意味が理解できると思います。求められているのは「法的三段論法」だということをしっかり認識してください。


 

国税庁の質疑応答でかつ税理士試験にも出題されたURLをリンクします。

これは、法的三段論法で説明されています。この説明ができるような訓練を積んでいなければ、「法的思考」も育たないのです。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/26/03.htm


 

質疑応答を漠然と読んでいるだけではだめです。法的三段論法を内包している部分を感じ取り丁寧に読まないといけないのです。

法令の解釈、事実認定、結論というものが自然にできるよう訓練していくことが大切なのです。理論○○を暗記する時間があるなら、質疑応答と同等の説明ができる説明力を身に付けたほうが、税理士試験で求めているものとリンクします。


 

説明することの大切さに最後は触れていきます。

財務官僚の多くが卒業する東京大学の現代国語の設問を見たことがあります。

漢字問題以外はすべて「説明せよ」です。

説明するということは、自分言葉でわかりやすく端的に表現する力です。

アインシュタインの名言に

「あなたの祖母に説明できない限り、本当に理解したとは言えない。」があります。知識があって設問を的確に読解できて初めてできるものです。

遠回りのように見えるかもしれませんが、説明力が不足していると感じている方は、説明することに真摯に一度向き合う必要があると思います。

税理士試験は、財務官僚が作成しています。1年分で良いので東京大学の現代文と向き合って説明する力のヒントを感じ取ってください。

説明力、法的三段論法は実社会の実務の上でも大切な力になります。


 

64回税理士試験では説明する力も求められました。

「連結納税制度の固有の項目につき、必要な知識を有しているかどうか、また、その知識を第三者に対して簡潔・適切に説明できるかどうかを問うこととしている。」

この文言に向き合ってもらいたいです。



 

60

https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/point2010/04.htm

61

https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/point2011/04.htm

62

https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/point2012/04.htm

63

https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/point2013/04.htm

64

https://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/point2014/04.htm






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