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システム内でスパイウェアが検出されました。マルチウェアの影響でコンピュータが通常より遅くなっています。対処法。 [PISA型読解力]

システム内でスパイウェアが検出されました。マルチウェアの影響でコンピュータが通常より遅くなっています。対処法です。

インターネットエクスプローラー

アドオンの管理→ツールバーと拡張機能

ここで無効にできない未確認の発行元が。

私の場合

Auto-Lyrics 

CドライブのProgramFile内にいました。日付的に怪しいので削除しました。

コントロールパネルのプログラムの削除からできれば何より。

無事でなくなりました。 

 

 

 


第62回 法人税 本試験 合格の秘訣 第二問 対策 [PISA型読解力]

62回 法人税 本試験 合格の秘訣 第二問 対策

■計算問題と思わないこと。
(理論と計算を分けて出題するとは、試験要領に書かれていないし、以前試験委員も言及している。
判断根拠を書かせる。根拠は、66条。22条にこだわった前回の試験プロジェクトに対抗かもしれません。

(各事業年度の所得に対する法人税の税率)

 66

内国法人である普通法人、一般社団法人等(別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人をいう。次項及び第三項において同じ。)又は人格のない社団等に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の額は、各事業年度の所得の金額に百分の二十五・五の税率を乗じて計算した金額とする。

2  

前項の場合において、普通法人のうち各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が一億円以下であるもの若しくは資本若しくは出資を有しないもの、一般社団法人等又は人格のない社団等の各事業年度の所得の金額のうち年八百万円以下の金額については、同項の規定にかかわらず、百分の十九の税率による。

3 ~5 省略

6  

内国法人である普通法人のうち各事業年度終了の時において次に掲げる法人に該当するものについては、第二項の規定は、適用しない。

一  

保険業法 に規定する相互会社(次号ロにおいて「相互会社」という。)

二  

大法人(次に掲げる法人をいう。以下この号及び次号において同じ。)との間に当該大法人による完全支配関係がある普通法人

イ 

資本金の額又は出資金の額が五億円以上である法人

ロ 

相互会社(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)

ハ 

第四条の七(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人(第四号において「受託法人」という。)

三  

普通法人との間に完全支配関係がある全ての大法人が有する株式及び出資の全部を当該全ての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合において当該いずれか一の法人と当該普通

法人との間に当該いずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときの当該普通法人(前号に掲げる法人を除く。)  

受託法

しかも、実は、記載の手引きの一番最初にかかれている。別表1についてです。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/tebiki2012/pdf/03.pdf

別表1の最初を聞かれて根拠をかけないのは、計算という意識があるからです。

第二問は、計算問題という意識を捨てることが、合格の極秘です。

第二問を理論と捉え、

第一問は、法的解釈を必要とする論述問題だという意識を持つことです。

時代は変わっています。しっかりついていけるようにしていかにとダメです。 

 ■第二問は、基礎明細しかでない。基礎明細とは、下記に上がっているものです。http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/tebiki2012/01.htm 

出題のポイント 法人税の申告実務を行うに際して必要となる基礎的な事項を中心に作問した。 内国法人は、確定した決算に基づいて申告書を作成しなければならない。その申告書の作成は、会計上適正な計算書類の作成と並行して行われるのが通例である。その観点から、申告調整と同時に行われる決算修正事項も重視した。また、会社法及び隣接する税目と関係する事項も問題に取り入れた。 

 申告実務を行うに際して必要となる基礎的な事項を中心に。→嘘、偽りなしです。マニアックな特殊論点はないです。 難しさがあったとすれば、→会社法及び隣接する税目と関係する事項も問題に取り入れたことです。会社法を知らなければ、注記もかけないし、登記実務もできません。資本取引の最低限が出題されました。

相続税の路線価の知識が問われました。路線価で評価した土地に割戻をかけたものが、適正な時価として認められる通達もできています。

 (連結納税の開始等に伴う時価評価資産に係る時価の意義)

12321 

法第61条の111項《連結納税の開始に伴う資産の時価評価損益》又は第61条の121項《連結納税への加入に伴う資産の時価評価損益》の規定を適用する場合における「時価評価資産のその時の価額」は、当該時価評価資産が使用収益されるものとしてその時において譲渡されるときに通常付される価額によるのであるが、次に掲げる時価評価資産について、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる方法その他合理的な方法により当該時価評価資産のその時の価額を算定しているときは、課税上弊害がない限り、これを認める。

(1) 減価償却資産

イ 令第13条第1号から第7号まで《有形減価償却資産》に掲げる減価償却資産 9119《減価償却資産の時価》に定める方法により計算される未償却残額に相当する金額をもって当該減価償却資産の価額とする方法

ロ 同条第8号《無形減価償却資産》及び第9号《生物》に掲げる減価償却資産 当該減価償却資産の取得価額を基礎としてその取得の時から法第61条の111項に規定する連結開始直前事業年度(以下12321において「連結開始直前事業年度」という。)又は法第61条の121項に規定する連結加入直前事業年度(以下12321において「連結加入直前事業年度」という。)終了の時まで旧定額法により償却を行ったものとした場合に計算される未償却残額に相当する金額をもって当該減価償却資産の価額とする方法

(2) 土地当該土地につきその近傍類地の売買実例を基礎として合理的に算定した価額又は当該土地につきその近傍類地の公示価格等(地価公示法第8条《不動産鑑定士の土地についての鑑定評価の準則》に規定する公示価格又は国土利用計画法施行令第9条第1項《基準地の標準価格》に規定する標準価格をいう。)から合理的に算定した価額をもって当該土地の価額とする方法 

この合理的に算定されていることを確認するために、固定資産税評価額(登録免許税から推測)より高い金額であることのチェックも必要でした。となると、登録免許税の課税標準と税率もきっちり考慮されて作問されています(ほとんど気付かれていません。法人税の本試験は凄いです)。

消費税の改正の課税売上割合の知識も問われてます。 実務は、法人税だけで機能しないことをしっかり試された点が難しさになっているかもしれません。 

基礎明細に話を戻します。

ひとつの例外がありました。控除対象外消費税です。しかし、今後は、売上5億円超なら、必ず作ることになるはずです。基礎明細になるものです。
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2012/pdf/16_10.pdf
上記15欄を記載していくために明細が必要になります。

基礎明細外で危ないと思われるのは、昨年第一問、第二問でも考え方が出ている
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2012/pdf/14_04.pdf
(参考までに7欄が圧縮欄です。)


■明細が出題されない問題
徹底的に理由をいれること。
どうして悲しんでいるのですか?と聞かれて悲しいからと答える人は、合格は厳しいはず。
しっかり理由を説明できる力を訓練すること。
これが、第二問の秘訣です。

上記、控除対象外消費税についても理由を記載できますか?
例として下記のようなことが、会計基準を意識した場合に論点になるはずです。
適正な会計上では、資産性なし。全額租税公課にする(別表5()に影響)。もともと20万未満であってもいっきょに損金化は無理。計算は継続。限度超過で調整。


■明細が出された問題。
判断が書けない。判断を明細に反映させる。
ここが、論点です。決して技術的な明細の記載の仕方を出題しているわけではありません。判断を意識した明細作成です。

別表5() 租税公課

中間仮決算を読み取る。中小企業会計指針を反映させるため、
PL
末尾の数値(源泉込み)を納税充当金の繰入を一致させる。BSの未払法人税等と納税充当金最終値と一致させる。これで注意書きで出された中小企業会計指針を反映。

別表15 交際費

雑費、重加算税対象なので、雑費分を交際にいれて調整。
同業者団体は、他社ではないので、交通費除外できない。
ゼロになるものはのせない。
定額控除のゼロを二重線で消す。
原価算入のついては、二重課税排除方式を理由付きで説明する部分は、出題されていました。
でも、明細に判断を入れることは忘れずに。

別表14() 寄附金

大きな判断は、社会福祉法人を読み取ること。
また、宗教法人は、通常、実務なら、
給与→指定(法隆寺改修等)→その他の順番。
その他になる判断は、地元。

他は、23年改正で算式が大きく変わるために出したと思われます。または、
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2012/pdf/14_04.pdf
出題の予告かもしれません。


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第59回 税理士試験 理論 法人税法 問1 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論

【第一問】

問1
宅地開発業を営むA社は、X県Y市内の土地を購入して造成し、宅地として販売することにした。A社は、この宅地開発行為についてX県知事の許可を受けるため、都市計画法に基づきY市と協議を行ったところ、Y市から、開発区域外にある雨水排水路の改修工事を行うよう行政指導を受け、これに従わない場合には同法に基づく同意《参考1の法令参照》を与えないとの方針が示された。そこで、A社はこれを了承し、Y市の同意を得てX県知事の開発許可を受けた上で、宅地の造成を行い、平成21年12月にこれを販売してその収益を当期(自平成21年4月1日至平成22年3月31日)の益金の額に算入した。     
また、雨水排水路の改修土事については、当該工事を請け負わせる予定の土木建築会社から工事費の見積額を1億円とする見積書を受け取り、平成22年1月に同社との間で請負契約を締結したが、その後、当該工事による環境悪化を懸念する住民の反対運動が起こったため、当期末現在、当該工事は施工されていない。                .
以上の事実関係の下、A社において、雨水排水路の改修工事に要する費用の見積額1億円は当期の損金の額に算入されるか。理由を付して簡潔に説明しなさい。

《参考1》       
○都市計画法第32条第1項(公共施設の管理者の同意等)
開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。


問1
最高裁判例をモチーフにした法人税法第22条からの出題です。
この問題を判例の問題からの出題だと捉えてしまったら・・・・・。
それは、大きな間違いです。

この問題の作成意図ですが、
「適切な会計力」を意図している問題では、ないでしょうか。

この問題を実際、会計専門家である公認会計士に投げかけたら、即答で、
「損金の額に算入する」(実際は、会計的には、原価)と答えるはずです。

売上の検証をする能力。それに対応する原価を検証する能力。
以上の能力がなければ、税理士のスタートにも立てないということを作成者は意図しているのではないでしょうか。

税務調査のスタートとして、細かい別表を見ることよりも、売上の検証です。
その会社が、売上を除外していないか?
その会社の収益の計上のしくみは?
それを見積書、納品書、請求書(発行タイミング含めて)を検証して、正しく計上されているかの確認からがスタートです。
次に、収益との個別対応のチェック。裏を返せば、収益との対応がないものは、資産計上(棚卸資産)していくことができるかどうか。

ここが、問われている問題です。

今後、国際会計基準に移行していくなか、会計に時価が導入されていくこととなります。法人税の立場から言えば、時価というものは、永遠に克服していかなければならないジレンマのようなものかもしれません。
会計に時価が導入されれば、どうしても見積もりという要素が含まれてしまいます。この壁をどう越えていくのか今後の税の改革が楽しみでもあり、不安でもありますが、なんらかの基軸を作成してくるかもしれません。
既存のものでいえば、
・減価償却資産の耐用年数(税がかなり緻密に作り上げました。)
・リース資産の取得価額(原則は、総額としながらも、合理性があるならば、利息法も可能。)
・デリバテイブ取引(会計基準は尊重しているもののかなり細かな規定も整備。)
・暖簾の償却期間
・税法固有の繰延資産の償却期間
過去のものであれば、
・引当金の計上算式(以前は、退職給与引当金、賞与引当金等こまかな基準を作成していました。)
等々、会計基準に客観性を持たせるために、規定していた部分多々です。

国際会計基準とのからみですが、
国際会計基準は、「覚える会計」から「自分の頭で考える会計」に大転換を図ろうとしています。
原則主義及び実質優先思考が重視されていく形になっていくと思います。
その流れの中で、緻密な機軸を作り上げていくことが、正しいことなのか、税法も大きな岐路にたっているかもしれません。

実質優先思考に、会計が進化していく中で・・・。
税法に実質課税の原則というがありますが、これは、税金がとれないときに法形式にとらわれず、真の所得者に課税を行うという解釈原理です。税法の現状は、徹底した形式主義です。客観的な証憑こそが、スタートなのかもしれません。

問1の問題のモチーフとなった判例ですが、
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=25097&hanreiKbn=01

形式的に見れば、納税者は、負けです。
異議申立、審査請求、一審、二審でも、形式的に存在する契約書等では、負け続けていたのです。
この、判例は、形式面ではなく、実質面を見て納税者が勝訴したものです。
実質面を見た点が、今後の税理士像及び国際会計基準の実質優先思考とも合致し、国税が負けた判例ではあるものの問題のモチーフにした意図を感じられます。

出題者の意図を今度は税の実務面から着目していきます。
そのために、法人税法第22条3項と基本通達2-1-1を記載します。
■(各事業年度の所得の金額の計算)
第22条
3  
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

(売上原価等が確定していない場合の見積り)
2-2-1 
法第22条第3項第1号《損金の額に算入される売上原価等》に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」(以下2-2-1において「売上原価等」という。)となるべき費用の額の全部又は一部が当該事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。この場合において、その確定していない費用が売上原価等となるべき費用かどうかは、当該売上原価等に係る資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供に関する契約の内容、当該費用の性質等を勘案して合理的に判断するのであるが、たとえその販売、譲渡又は提供に関連して発生する費用であっても、単なる事後的費用の性格を有するものはこれに含まれないことに留意する。(昭55年直法2-8「七」により改正)

まず、法人税法第22条3項ですが、二号では、「債務の確定しないものを除く」と規定しているのに、一号で規定していないのは、なぜか?と考えたことがあるか。
法人税を中心に考えたらこの条文を理解することは難しいかもしれません。会計基準を知っていれば、自ずと理解できるはずです。
たとえできなかったとしても、法人税法第22条3項の一番最初の通達を見ていれば、絶対に可能なはずです。
2-1-1の
「確定していない費用が売上原価等となるべき費用かどうかは、当該売上原価等に係る資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供に関する契約の内容、当該費用の性質等を勘案して合理的に判断する」
「単なる事後的費用の性格を有するものはこれに含まれない」
このことを問題文から読み取り記載していく力。
適正な申告(税理士に必要な力)のベースとなる収益計上に係る原価の考え方が問われた基本問題なのです。

参考までに、本問題は、会計士試験にも出題された論点です。
このような問題に対応するためには・・・。
宅地開発の許認可手続きや、都市計画法も出題されましたが、
法人税以外の法令についても、抵抗をなくすこと。
解明力、具体化力、論理力を鍛えていくこと。
が必要になるかもしれません。

問題文を読み進めていく上で、
①農地は安い。宅地は高い。
②宅地化するには、それなりに手続きが必要(この手続きできると金になります。)
③その法律が、都市計画法なのだろうな。
④宅地化して、A社は、土地をうって大儲けしたのだろうな。
⑤雨水排水路をつくることが条件。
⑥反対運動あても、この条件を満たさないとやばいよね。
⑦反対運動の人に和解をしていかないと(金別途かかりそうだけど・・・・これの見積もりはさすがにだめだろうな。客観性ないし・・・)
⑧見積もりとって、請負契約まで結んでいたら、絶対に工事はするでしょう。
という思考が、解明力、具体化力、論理力だと思います。簡単に、より簡単に考えられる思考です。


回答例を記載します。
1.結論 
本設問の事実内容を検討すれば、雨水排水路の改修工事に要する費用の見積額1億円は当期の損金の額に算入されると考えられる。

2.理由
法人税法法第22条第3項第1号に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」となるべき費用の額の全部又は一部が当該事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものされている。
A社は、宅地の造成を行い、平成21年12月にこれを販売してその収益を当期に計上している。雨水排水路の改修工事は、その収益を得るために、宅地開発行為につきX県知事の許可を受ける必要があり、都市計画法に基づきY市と協議を行い、Y市から、開発区域外にある雨水排水路の改修工事(都市計画法に基づく同意であるため、開発区域外ではあるが、宅地化に伴う影響箇所のある地域の雨水排水路の改修と考えます。)を行うよう行政指導を受け、これに従わない場合には、宅地開発行為の同意を与えないとの方針が示されたからこその改修工事である。いわば、収益を得るために不可避な条件である。これらの流れから、雨水排水路の改修工事は、事後的な費用ではなく、収益との個別対応を形成する原価となるべき費用と考えられため、損金の額に算入されると考えられる。
また、見積額の前提である1億円も平成22年1月に土木建築会社と請負契約を締結していることから請負契約書の数値と一致している以上その数値には客観性及び合理性があり適正な見積もりと考えられる。

3.根拠規定

法人税法第22条第3項
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

基本通達2-2-1


損金の額に算入せず資産計上(棚卸資産)に計上したとしたら、粉飾決算という位置づけになり、今度は法人税法第22条第1項により、
翌期(債務確定時)の損金にすらならなくなるリスクもあるのです。
1億円の費用化が認められなかったら、大変なことです。
売上の計上、原価の計上の重要性しっかり認識していかなくてはいけないことなのでしょうね。
税は、知っているかではなく活用するものなのです。


■第22条  
内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
参考までに、
これは、事業年度単位課税(しっかり期間損益概念身につけてください。しっかりとした会計感性身につけてください。)という理論です。

この問題のまとめとして、国税庁の解説記載しておきます。

第59回(平成21年)
出題のポイント
〔第一問〕
法人税法第22条では、その第1項において、「各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする」と定められ、益金の額及び損金の額については第2項以下に規定が置かれている。
そして、同条第3項において、当該事業年度の損金の額に算入すべき金額として、①当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額、②当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額、③当該事業年度の損失の額、が掲げられている。問1及び問2は、法人税法の基本となるこの規定に関し、売上原価の見積計上の可否及び債務の確定の判定についての理解を問うものである。
省略
以上、いずれも法人税法における基本的な制度に関し、具体的な事例への適用についての問いかけを行い、法令が理論的に正しく解釈・適用されているかどうかという対応能力を問うこととしている。

法22条の重要性を認識し、通達を確認していれば、ないし、債務確定をなぜ、一号に記載されていないかを認識していれば、対応はとれたかもしれません。


参考 判例

主    文
原判決中被告人両名に関する部分を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。
          
理    由

1 原判決及びその是認する第1審判決の認定によると,第1審判決判示第一の一の事実(昭和61年10月1日から同62年9月30日までの事業年度に係る法人税法違反)に関する事実関係の概要は,次のとおりである。
 (1) 被告人A株式会社(以下「被告会社」という。)は,茨城県牛久市内の土地を購入して造成し宅地として販売することにした。被告会社は,上記開発行為につき茨城県知事の許可を得るため,都市計画法に基づいて牛久市と協議をした。牛久市は,宅地開発に当たっては,開発区域の内外を問わず,流末排水路を開発業者に整備させるという行政指導を行い,開発業者がこれに従わない場合には,同法32条に基づく公共施設の管理者としての同意を与えず,開発許可申請を茨城県知事に申達しないという取扱いをしていた。このため,牛久市の担当者は,被告会社に対し,本件土地内から排出された雨水が流下することになる開発区域外の長さ約400mの農業用水路を,直径2mの管を埋設した雨水排水路とすることなどを内容とする改修工事を行うよう指導した(以下,この工事の内容を「第1案」という。)。被告会社は,これを了承し,牛久市の同意を得て,昭和58年6月に茨城県知事から開発許可を受けた。
 (2) その後,被告会社は,本件土地を造成し,昭和62年6月にこれを販売した。
 (3) 同年7月ころ,牛久市の担当者は,方針を変更し,被告会社に対し,幅4mの雨水排水路とすることなどを内容とする改修工事を行うよう指導した(以下,この工事の内容を「第2案」という。)。第2案は第1案の約3倍の工費を必要とするため,被告会社が難色を示すと,牛久市の担当者は,第1案の工費の範囲内で被告会社が第2案の工事を部分的に施工するとの代案を提示した。これを受け入れた被告会社は,本件改修工事を請け負わせようと考えていた株式会社C建設に対し,第1案の工費を見積もるよう依頼した。同年9月ころ,同社は1億4668万円と見積もり,被告会社はこの見積金額を牛久市の担当者に連絡した。
 (4) 同年10月ころ,牛久市側は,更に方針を変更し,本件改修工事をすべて公共工事として行うこととし,被告会社に対し,第1案の工費に相当する上記金額を都市下水路整備負担金として牛久市に支払うよう求め,被告会社はこれを了承した。
 (5) 同年11月30日,被告会社は,本件土地の販売に係る収益の額を昭和61年10月1日から同62年9月30日までの事業年度(以下「当期」という。)の益金の額に算入し,上記1億4668万円を上記収益に係る売上原価の額として当期の損金の額に算入した上,確定申告をした。
 (6) 牛久市は,昭和63年度から3年計画で本件改修工事を行うこととし,同年3月成立の同年度一般会計予算において,被告会社が支出する上記負担金の初年度分として総額の約3分の1に当たる5000万円を歳入に計上した。しかし,その後,牛久市は,住民の反対運動が起きることを懸念して同工事を行わず,被告会社も,上記負担金を支出していない。

 2 以上の事実関係を前提として,第1審判決は,上記1億4668万円を当期の収益に係る売上原価の額として当期の損金の額に算入することは許されないとし,原判決も,その結論を是認した。原判決の理由の要旨は,次のとおりである。
 (1) 上記金額を当期の収益に係る売上原価の額として損金の額に算入することを認めるためには,その支払が債務として確定していたこと,すなわち,その義務の内容が客観的,一義的に明白で,費用を見積もることができる程度に特定されていたことを要する。
 (2) 当期終了の日までの時点で,被告会社が本件改修工事を行うことが,牛久市との間で法的拘束力を伴った義務として確定するに至っていたとはいえないことなどの事情に照らすと,同日までの時点で,同工事に関する被告会社の義務の内容が客観的,一義的に明白であったとは認められない。したがって,同工事に関する費用を当期の損金とすることはできない。

 3 原審の上記認定判断は,是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 前記1の認定事実及び記録によれば,
(1) 牛久市は,都市計画法上の同意権を背景として,被告会社に対し本件改修工事を行うよう求めたものであって,被告会社は,事実上その費用を支出せざるを得ない立場に置かれていたこと,
(2) 同工事の内容等は,牛久市側の方針の変更に伴い変遷しているものの,被告会社が支出すべき費用の額は,終始第1案の工費に相当する金額であったこと,
(3) 被告会社は,昭和62年9月ころに建設会社にこれを見積もらせるなど,同年9月末日までの時点において既にその支出を見込んでいたこと,などが明らかである。これらの事実関係に照らすと,当期終了の日である同年9月末日において,被告会社が近い将来に上記費用を支出することが相当程度の確実性をもって見込まれており,かつ,同日の現況によりその金額を適正に見積もることが可能であったとみることができる。このような事情がある場合には,当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が確定していないときであっても,上記の見積金額を法人税法22条3項1号にいう「当該事業年度の収益に係る売上原価」の額として当該事業年度の損金の額に算入することができると解するのが相当である。
   したがって,原判決には,損金の額に算入すべき売上原価について,法律の解釈を誤った結果,審理不尽,事実誤認の疑いがあり,これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。


(販売代金の額が確定していない場合の見積り)
2-1-4 
法人がその販売に係る棚卸資産を引き渡した場合において、その引渡しの日の属する事業年度終了の日までにその販売代金の額が確定していないときは、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。この場合において、その後確定した販売代金の額が見積額と異なるときは、その差額は、その確定した日の属する事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の益金の額又は損金の額に算入する。(昭55年直法2-8「六」により追加、平15年課法2-7「六」により改正)

(工事代金の額が確定していない場合の見積り)
2-1-7 
2-1-4は、当該事業年度において完成して引き渡した建設工事等に係る工事代金の額が当該事業年度終了の日までに確定していない場合について準用する。(昭55年直法2-8「六」により改正)


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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力8 [PISA型読解力]

この問題のまとめとして、国税庁の解説記載しておきます。

第59回(平成21年)
出題のポイント
〔第一問〕
法人税法第22条では、その第1項において、「各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする」と定められ、益金の額及び損金の額については第2項以下に規定が置かれている。
そして、同条第3項において、当該事業年度の損金の額に算入すべき金額として、①当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額、②当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額、③当該事業年度の損失の額、が掲げられている。問1及び問2は、法人税法の基本となるこの規定に関し、売上原価の見積計上の可否及び債務の確定の判定についての理解を問うものである。
省略
以上、いずれも法人税法における基本的な制度に関し、具体的な事例への適用についての問いかけを行い、法令が理論的に正しく解釈・適用されているかどうかという対応能力を問うこととしている。

法22条の重要性を認識し、通達を確認していれば、ないし、債務確定をなぜ、一号に記載されていないかを認識していれば、対応はとれたかもしれません。


参考 判例

主    文
原判決中被告人両名に関する部分を破棄する。
本件を東京高等裁判所に差し戻す。
          
理    由

1 原判決及びその是認する第1審判決の認定によると,第1審判決判示第一の一の事実(昭和61年10月1日から同62年9月30日までの事業年度に係る法人税法違反)に関する事実関係の概要は,次のとおりである。
 (1) 被告人A株式会社(以下「被告会社」という。)は,茨城県牛久市内の土地を購入して造成し宅地として販売することにした。被告会社は,上記開発行為につき茨城県知事の許可を得るため,都市計画法に基づいて牛久市と協議をした。牛久市は,宅地開発に当たっては,開発区域の内外を問わず,流末排水路を開発業者に整備させるという行政指導を行い,開発業者がこれに従わない場合には,同法32条に基づく公共施設の管理者としての同意を与えず,開発許可申請を茨城県知事に申達しないという取扱いをしていた。このため,牛久市の担当者は,被告会社に対し,本件土地内から排出された雨水が流下することになる開発区域外の長さ約400mの農業用水路を,直径2mの管を埋設した雨水排水路とすることなどを内容とする改修工事を行うよう指導した(以下,この工事の内容を「第1案」という。)。被告会社は,これを了承し,牛久市の同意を得て,昭和58年6月に茨城県知事から開発許可を受けた。
 (2) その後,被告会社は,本件土地を造成し,昭和62年6月にこれを販売した。
 (3) 同年7月ころ,牛久市の担当者は,方針を変更し,被告会社に対し,幅4mの雨水排水路とすることなどを内容とする改修工事を行うよう指導した(以下,この工事の内容を「第2案」という。)。第2案は第1案の約3倍の工費を必要とするため,被告会社が難色を示すと,牛久市の担当者は,第1案の工費の範囲内で被告会社が第2案の工事を部分的に施工するとの代案を提示した。これを受け入れた被告会社は,本件改修工事を請け負わせようと考えていた株式会社C建設に対し,第1案の工費を見積もるよう依頼した。同年9月ころ,同社は1億4668万円と見積もり,被告会社はこの見積金額を牛久市の担当者に連絡した。
 (4) 同年10月ころ,牛久市側は,更に方針を変更し,本件改修工事をすべて公共工事として行うこととし,被告会社に対し,第1案の工費に相当する上記金額を都市下水路整備負担金として牛久市に支払うよう求め,被告会社はこれを了承した。
 (5) 同年11月30日,被告会社は,本件土地の販売に係る収益の額を昭和61年10月1日から同62年9月30日までの事業年度(以下「当期」という。)の益金の額に算入し,上記1億4668万円を上記収益に係る売上原価の額として当期の損金の額に算入した上,確定申告をした。
 (6) 牛久市は,昭和63年度から3年計画で本件改修工事を行うこととし,同年3月成立の同年度一般会計予算において,被告会社が支出する上記負担金の初年度分として総額の約3分の1に当たる5000万円を歳入に計上した。しかし,その後,牛久市は,住民の反対運動が起きることを懸念して同工事を行わず,被告会社も,上記負担金を支出していない。

 2 以上の事実関係を前提として,第1審判決は,上記1億4668万円を当期の収益に係る売上原価の額として当期の損金の額に算入することは許されないとし,原判決も,その結論を是認した。原判決の理由の要旨は,次のとおりである。
 (1) 上記金額を当期の収益に係る売上原価の額として損金の額に算入することを認めるためには,その支払が債務として確定していたこと,すなわち,その義務の内容が客観的,一義的に明白で,費用を見積もることができる程度に特定されていたことを要する。
 (2) 当期終了の日までの時点で,被告会社が本件改修工事を行うことが,牛久市との間で法的拘束力を伴った義務として確定するに至っていたとはいえないことなどの事情に照らすと,同日までの時点で,同工事に関する被告会社の義務の内容が客観的,一義的に明白であったとは認められない。したがって,同工事に関する費用を当期の損金とすることはできない。

 3 原審の上記認定判断は,是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 前記1の認定事実及び記録によれば,
(1) 牛久市は,都市計画法上の同意権を背景として,被告会社に対し本件改修工事を行うよう求めたものであって,被告会社は,事実上その費用を支出せざるを得ない立場に置かれていたこと,
(2) 同工事の内容等は,牛久市側の方針の変更に伴い変遷しているものの,被告会社が支出すべき費用の額は,終始第1案の工費に相当する金額であったこと,
(3) 被告会社は,昭和62年9月ころに建設会社にこれを見積もらせるなど,同年9月末日までの時点において既にその支出を見込んでいたこと,などが明らかである。これらの事実関係に照らすと,当期終了の日である同年9月末日において,被告会社が近い将来に上記費用を支出することが相当程度の確実性をもって見込まれており,かつ,同日の現況によりその金額を適正に見積もることが可能であったとみることができる。このような事情がある場合には,当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が確定していないときであっても,上記の見積金額を法人税法22条3項1号にいう「当該事業年度の収益に係る売上原価」の額として当該事業年度の損金の額に算入することができると解するのが相当である。
   したがって,原判決には,損金の額に算入すべき売上原価について,法律の解釈を誤った結果,審理不尽,事実誤認の疑いがあり,これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。


参考 関連通達

(販売代金の額が確定していない場合の見積り)
2-1-4 
法人がその販売に係る棚卸資産を引き渡した場合において、その引渡しの日の属する事業年度終了の日までにその販売代金の額が確定していないときは、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。この場合において、その後確定した販売代金の額が見積額と異なるときは、その差額は、その確定した日の属する事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の益金の額又は損金の額に算入する。(昭55年直法2-8「六」により追加、平15年課法2-7「六」により改正)

(工事代金の額が確定していない場合の見積り)
2-1-7 
2-1-4は、当該事業年度において完成して引き渡した建設工事等に係る工事代金の額が当該事業年度終了の日までに確定していない場合について準用する。(昭55年直法2-8「六」により改正)


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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力7 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論 

損金の額に算入せず資産計上(棚卸資産)に計上したとしたら、粉飾決算という位置づけになり、今度は法人税法第22条第1項により、
翌期(債務確定時)の損金にすらならなくなるリスクもあるのです。
1億円の費用化が認められなかったら、大変なことです。
売上の計上、原価の計上の重要性しっかり認識していかなくてはいけないことなのでしょうね。
税は、知っているかではなく活用するものなのです。


■第22条  
内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
参考までに、
これは、事業年度単位課税(しっかり期間損益概念身につけてください。しっかりとした会計感性身につけてください。)という理論です。


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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力6 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論

回答例を記載します。
1.結論 
本設問の事実内容を検討すれば、雨水排水路の改修工事に要する費用の見積額1億円は当期の損金の額に算入されると考えられる。

2.理由
法人税法法第22条第3項第1号に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」となるべき費用の額の全部又は一部が当該事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものされている。
A社は、宅地の造成を行い、平成21年12月にこれを販売してその収益を当期に計上している。雨水排水路の改修工事は、その収益を得るために、宅地開発行為につきX県知事の許可を受ける必要があり、都市計画法に基づきY市と協議を行い、Y市から、開発区域外にある雨水排水路の改修工事(都市計画法に基づく同意であるため、開発区域外ではあるが、宅地化に伴う影響箇所のある地域の雨水排水路の改修と考えます。)を行うよう行政指導を受け、これに従わない場合には、宅地開発行為の同意を与えないとの方針が示されたからこその改修工事である。いわば、収益を得るために不可避な条件である。これらの流れから、雨水排水路の改修工事は、事後的な費用ではなく、収益との個別対応を形成する原価となるべき費用と考えられため、損金の額に算入されると考えられる。
また、見積額の前提である1億円も平成22年1月に土木建築会社と請負契約を締結していることから請負契約書の数値と一致している以上その数値には客観性及び合理性があり適正な見積もりと考えられる。

3.根拠規定

法人税法第22条第3項
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

基本通達2-2-1




税理士 小池康夫
http://www.kyoffice.com
ロジシーケンス株式会社
http://logisequence.com
有限会社プレシャス・ワン
http://p1net.com




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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力5 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論

参考までに、本問題は、会計士試験にも出題された論点です。
このような問題に対応するためには・・・。
宅地開発の許認可手続きや、都市計画法も出題されましたが、
法人税以外の法令についても、抵抗をなくすこと。
解明力、具体化力、論理力を鍛えていくこと。
が必要になるかもしれません。

問題文を読み進めていく上で、
①農地は安い。宅地は高い。
②宅地化するには、それなりに手続きが必要(この手続きできると金になります。)
③その法律が、都市計画法なのだろうな。
④宅地化して、A社は、土地をうって大儲けしたのだろうな。
⑤雨水排水路をつくることが条件。
⑥反対運動あても、この条件を満たさないとやばいよね。
⑦反対運動の人に和解をしていかないと(金別途かかりそうだけど・・・・これの見積もりはさすがにだめだろうな。客観性ないし・・・)
⑧見積もりとって、請負契約まで結んでいたら、絶対に工事はするでしょう。
という思考が、解明力、具体化力、論理力だと思います。簡単に、より簡単に考えられる思考です。


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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力4 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論

出題者の意図を今度は税の実務面から着目していきます。
そのために、法人税法第22条3項と基本通達2-2-1を記載します。
■(各事業年度の所得の金額の計算)
第22条
3  
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一  当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二  前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三  当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

(売上原価等が確定していない場合の見積り)
2-2-1 
法第22条第3項第1号《損金の額に算入される売上原価等》に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」(以下2-2-1において「売上原価等」という。)となるべき費用の額の全部又は一部が当該事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。この場合において、その確定していない費用が売上原価等となるべき費用かどうかは、当該売上原価等に係る資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供に関する契約の内容、当該費用の性質等を勘案して合理的に判断するのであるが、たとえその販売、譲渡又は提供に関連して発生する費用であっても、単なる事後的費用の性格を有するものはこれに含まれないことに留意する。(昭55年直法2-8「七」により改正)

まず、法人税法第22条3項ですが、二号では、「債務の確定しないものを除く」と規定しているのに、一号で規定していないのは、なぜか?と考えたことがあるか。
法人税を中心に考えたらこの条文を理解することは難しいかもしれません。会計基準を知っていれば、自ずと理解できるはずです。
たとえできなかったとしても、法人税法第22条3項の一番最初の通達を見ていれば、絶対に可能なはずです。
2-2-1の
「確定していない費用が売上原価等となるべき費用かどうかは、当該売上原価等に係る資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供に関する契約の内容、当該費用の性質等を勘案して合理的に判断する」
「単なる事後的費用の性格を有するものはこれに含まれない」
このことを問題文から読み取り記載していく力。
適正な申告(税理士に必要な力)のベースとなる収益計上に係る原価の考え方が問われた基本問題なのです。

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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力3 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論

国際会計基準とのからみですが、
国際会計基準は、「覚える会計」から「自分の頭で考える会計」に大転換を図ろうとしています。
原則主義及び実質優先思考が重視されていく形になっていくと思います。
その流れの中で、緻密な機軸を作り上げていくことが、正しいことなのか、税法も大きな岐路にたっているかもしれません。

実質優先思考に、会計が進化していく中で・・・。
税法に実質課税の原則というがありますが、これは、税金がとれないときに法形式にとらわれず、真の所得者に課税を行うという解釈原理です。税法の現状は、徹底した形式主義です。客観的な証憑こそが、スタートなのかもしれません。

問1の問題のモチーフとなった判例ですが、
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=25097&hanreiKbn=01

形式的に見れば、納税者は、負けです。
異議申立、審査請求、一審、二審でも、形式的に存在する契約書等では、負け続けていたのです。
この、判例は、形式面ではなく、実質面を見て納税者が勝訴したものです。
実質面を見た点が、今後の税理士像及び国際会計基準の実質優先思考とも合致し、国税が負けた判例ではあるものの問題のモチーフにした意図を感じられます。

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第59回 税理士試験 法人税法 理論 法人税法試験に必要なPISA型読解力2 [PISA型読解力]

第59回 税理士試験 法人税法 理論

問1
最高裁判例をモチーフにした法人税法第22条からの出題です。
この問題を判例の問題からの出題だと捉えてしまったら・・・・・。
それは、大きな間違いです。

この問題の作成意図ですが、
「適切な会計力」を意図している問題では、ないでしょうか。

この問題を実際、会計専門家である公認会計士に投げかけたら、即答で、
「損金の額に算入する」(実際は、会計的には、原価)と答えるはずです。

売上の検証をする能力。それに対応する原価を検証する能力。
以上の能力がなければ、税理士のスタートにも立てないということを作成者は意図しているのではないでしょうか。

税務調査のスタートとして、細かい別表を見ることよりも、売上の検証からのスタートです。
その会社が、売上を除外していないか?
その会社の収益の計上のしくみは?
それを見積書、納品書、請求書(発行タイミング含めて)を検証して、正しく計上されているかの確認からがスタートです。
次に、収益との個別対応のチェック。裏を返せば、収益との対応がないものは、資産計上(棚卸資産)していくことができるかどうか。

ここが、問われている問題です。

今後、国際会計基準に移行していくなか、会計に時価が導入されていくこととなります。法人税の立場から言えば、時価というものは、永遠に克服していかなければならないジレンマのようなものかもしれません。
会計に時価が導入されれば、どうしても見積もりという要素が含まれてしまいます。この壁をどう越えていくのか今後の税の改革が楽しみでもあり、不安でもありますが、なんらかの機軸を作成してくるかもしれません。
既存のものでいえば、
・減価償却資産の耐用年数(税がかなり緻密に作り上げました。)
・リース資産の取得価額(原則は、総額としながらも、合理性があるならば、利息法も可能。)
・デリバテイブ取引(会計基準は尊重しているもののかなり細かな規定も整備。)
・暖簾の償却期間
・税法固有の繰延資産の償却期間
過去のものであれば、
・引当金の計上算式(以前は、退職給与引当金、賞与引当金等こまかな基準を作成していました。)
等々、会計基準に客観性を持たせるために、規定していた部分多々です。

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